2020年5月31日、アメリカの 宇宙企業「スペースX」の有人宇宙船「クルードラゴン」が、国際宇宙ステーションへのドッキングに成功しました。
これは、アメリカにとって、2011年に引退したスペースシャトル以来、9年ぶりの快挙になりました。
というのも、2020年8月現在、国際宇宙ステーションへひとを送ることのできる宇宙船は、このクルードラゴンを載せたアメリカの「ファルコン9」と、ロシアの「ソユーズ」しかないからです。
ということは、今回のアメリカのクルードラゴンが成功するまでの9年間、ロシアの「ソユーズ」しか宇宙へ行く手段がなかったのですね。
さて、世界にはどのようなロケットがあるのでしょうか。一覧にまとめてみました。
世界のロケット一覧【2020年】
ひとを運ぶことのできる「有人ロケット」と、人工衛星を運ぶ「無人ロケット」に分けてみます。
有人ロケット
ソユーズ(露)
ロシアのロケットで、宇宙飛行士が乗る「ソユーズ宇宙船や」、宇宙飛行士への物資を運ぶ「プログレス補給船」を国際宇宙ステーションへ贈ります。
打ち上げ成功率は90%。
1957年、宇宙に初めて打ち上げられた人工衛星「スプートニク」を打ち上げたR-7Aロケットをベースに、何度か改造され完成した、世界で最も打ち上げられているロケットです。
ファルコン9(米)
アメリカのスペースX(Space Exploration Technologies Corp.)が開発し、宇宙飛行士を国際宇宙ステーションに送る「クルードラゴン」や、物資を運ぶ「ドラゴン補給船」を運搬します。
打ち上げ成功率は97.4%。
最大の特徴は、ロケットの再使用ができることです。
宇宙へ行く手段がまだまだ少ない理由の一つとして、数十億~百億円かかる打ち上げ費用があります。
なぜなら、世の中の高額なロケットは基本使い捨てだから。
そこにメスを入れる形で、スペースXは再使用型のロケットを開発しました。
以上、2つが2020年現在宇宙へひとを送ることのできるロケットです。
無人ロケット
無人ロケットの全長を、グラフにしてみました。
特徴的なロケットをいくつか紹介します。
アトラスV(米)
アメリカのユナイテッドローンチアライアンス社(ロッキード・マーティンとボーイングの合弁)が請け負っています。
注目すべきは打ち上げ成功率の高さで、過去1度しか失敗していません。
その成功率の高さを活かして、万が一打ち上げが失敗した場合の保障を付けています。
そのため、アトラスVに人工衛星を載せたい事業者は、余計な保険を付ける必要がありません。
ファルコンヘビー(米)
アメリカのスペースX社が開発する、大型ロケットで、ファルコン9の発展型です。
2018年2月の初打ち上げでは、ダミーとしてテスラ・ロードスターが搭載されました。
ファルコンヘビーもファルコン9同様、再使用型です。
将来的には火星への輸送機としての活用も目論んでいます。
長征5号(中)
長征は、中国のロケットです。
中国は国際宇宙ステーションプログラムに参加していませんが、最近の宇宙開発の発展は目まぐるしく、着々と成長しています。
2022年には「天宮」と呼ばれる中国独自の宇宙ステーションを建設する計画があります。
H3(日)
日本のJAXAと三菱重工業が開発中の使い捨てロケットです。
開発費が1,900億円とも言われ、柔軟性・高信頼性・低価格を売りにしています。
2020年度に、種子島宇宙センターからの試験機1号機打ち上げを計画しています。
それ以降は、年間6期打ち上げる想定です。
まとめ
こうやって見てみると、日本は有人ロケットがないのですね。
技術力を生かしてぜひ有人ロケットを開発してもらいたいものです。
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